論理的思考⑥ 困った人たち!Hi, readers!!前回に引き続き、<論理的思考>を取り上げます。 理解してない方が多いのですが、 日本語(での意見展開方法)をそのまま英語に訳しても、 英語として、それは絶対に通じません。その訳は英語ではなく、 単に日本語文章をアルファベットに置換えただけです。 つまり、形は英語でも発想が日本語だからです。 読者の皆さんの中には、<日本語を何でもそのまま、 言われる通りに訳せば通じる、通訳とはそういうものである>と 思っておられる方がいらっしゃいますが、 その考えは間違いです。はっきり断言できます。 過日、私の通訳業務の中で、外国人研修者を相手に、 日本人発言者が以下の様な発言をされました: 「 明日から、いよいよ日本語の研修が始ります。 昨日、皆さんにこの資料(冊子)を お配りしましたが、<この資料は、明日からの授業には使いません。 ですから持ってこなくても良いです。が、持って来て下さい。 でも、明日からの授業には使いません>」 ●皆様は、上の発言はスムーズにご理解出来ますか? この時のお客様のご要望は、 <日本語を一言一句そのままに、英語に同時通訳して欲しい>との事で した。上の発言をそのまま、英語で言えばどうなるでしょうか? 結局、「持ってくるのかどうか?」よく判りませんし、 そして、「使わないが持ってこなければならない」という論理的矛盾が 発生します。 ちなみに、上の発言の<>の部分は、 私でしたら、以下の様に通訳します。 Please don’t forget to bring the booklet for your reference tomorrow.となります。 私の流儀では、<曖昧になりがちの日本語発言>を論理的に、 内容をとって訳しますので、上の様になります。 同時通訳は、原則として発言される事をそのまま通訳しますが、 それは、厳密に言えば、 発言される情報をきちんと外国語や日本語に訳すのであって、 何でもかんでも文字通りに 訳すのではありません。尤もこれも会談・会議の種類などでも変って来ますが。 皆様が通訳を介して発言される場合、 或いは、翻訳者に書類を訳してもらう場合は、 もうちょっと判り易い発言・発話をしたいものです。 もっと論理的な、理解しやすい日本語を意識して頂ければと存じます。 ご質問は何なりと。See you next time!! ジャンル別一覧
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